第三者から戸籍等が請求された場合の本人通知制度について

 本人通知制度について

<本人通知制度について> 其の1

 本人通知制度をご存知でしょうか。

 本人以外の第三者が、本人の住民票等を請求して手配した場合に、本人にその事実を市町村役場から通知する制度のことです。

 昨年、私が成年後見人をしている方の戸籍等が第三者請求された旨の通知がありました。

 誰が何の目的で本人の戸籍等を請求したのか。

もし、あなたの戸籍等が第三者に請求されたとしたら・・・

気持悪くないですか?

 そこで、行政からの本人通知制度について、数回に分けてご紹介したいと思います。

 写真は、実際に本人宛に送られてきた通知書です。

 事前登録型本人通知制度

 <本人通知制度について> 其の2

 各市町村では要綱に定めることにより、「事前登録型本人通知制度」を開始しています。

これは、事前に登録しておくことにより、本人以外の第三者が、本人の住民票等を請求して手配した場合に、本人にその事実を市町村役場から通知する制度のことです。

京都府下では全ての市町村が実施しておりまして、全国的に、もし実施していない市町村があったとしても、大変少数であると思います。

 ご参考までに、京都府のリンク集をご紹介しておきます。

https://kyoto-jinken.net/material_book/issued_notification/

京都人権ナビ ホームページ

 

 前回は、昨年、私が成年後見人をしている方の戸籍等が第三者請求された旨の通知があったことをお話ししました。

 そこで私は、宮津市に、保有個人情報開示請求書を提出し、誰が、何の目的で、本人の戸籍謄本等を請求したのか、情報の開示を求めました。

今回は、その「保有個人情報開示請求書」の現物を添付しました。

 次回以降も、実際の書類を添付して詳解します。

 

*ご参考 

事前登録型本人通知制度とは

 各市町村では要綱に定めることにより、「事前登録型本人通知制度」を開始しています。

これは、事前に登録しておくことにより、本人以外の第三者が、本人の住民票等を請求して手配した場合に、本人にその事実を市町村役場から通知する制度のことです。

 

 保有個人情報の開示決定

 <本人通知制度について> 其の3

 前回は、宮津市に、保有個人情報開示請求書を提出し、誰が、何の目的で、本人の戸籍謄本等を請求したのか、情報の開示を求めたところまでお話ししました。

 令和5年12月20日に保有個人情報開示請求書を提出しましたところ、令和6年1月12日(金)付で、保有個人情報の開示決定がされ、土日をはさんで、15日(月)に保有個人情報の開示決定通知書が送られてきました。

なお、開示日の指定もされる取扱いです(このケースでは、1月17日の午後)。

一枚につき、10円の手数料が必要。

成年後見人の資格証明書は、発行後1か月以内のものが必要。

 

 私は個人情報が第三者に盗られた本人の立場から開示請求を行ったのですが、「個人情報を盗られた本人が」、その第三者からなされた請求内容を確認する為だけにしては、随分と時間がかかるものだなと思いました。

皆様のご感想はいかがでしょうか。

 その通知書の原本を添付しますのでご覧ください。

 

 委任状について

 <本人通知制度について> 其の4

 前回は、個人情報が第三者に盗られた立場から開示請求を行ったのに、「個人情報を盗られた本人が」、その第三者からなされた請求内容を確認する為だけにしては、随分と時間がかかる(約1ヶ月)ものだなと感じたということをお話ししました。

 

 実際に開示されたのは、戸籍等の請求書と委任状ですが、

今回はその公開された「委任状」を添付します。

黒塗りだらけですが、この状態で交付されました。

 

 これにより、誰かが、誰かの相続人調査のために、行政書士に依頼をしたのだということは分かります。

しかし、「誰が」被相続人(死亡した人)なのか、「誰が」行政書士に依頼をしたのかは不明ですよね。

「個人情報を盗られた本人が」開示請求を行っているのに、情報を盗った側のプライバシー保護を理由に、ここまで黒塗りにしてしまっては、本人通知制度の意味はあまりないように感じました。

 次回は、実際に利用された、戸籍等の請求書を添付して詳解します。

 戸籍等請求書について

 <本人通知制度について> 其の5(最終回)

 前回は、「個人情報を盗られた本人が」開示請求を行っているのに、個人の情報を盗った側のプライバシー保護を理由に、ここまで黒塗りにしてしまっては、本人通知制度の意味はあまりないように感じました、という感想を述べました。

 

 その私の感想に対して、元行政職員から意見がありましたが、それは専ら「行政が訴訟等されるリスクを避けるためには仕方がない」というものであって、個人情報を盗られた住民の立場についての配慮はなく、行政機関の保身からのみの意見でしたから、とても残念に思いました。

 

 今回私が行った開示請求により、実際に開示されたのは、戸籍等の請求書と委任状ですが、

その開示された「戸籍関係証明・住民票等 請求書」を添付します。

黒塗りだらけですが、この状態で交付されました。

これにより、誰かが、誰かの相続人調査のために、行政書士に依頼をしたのだということは分かります。

 そして、この「戸籍関係証明・住民票等 請求書」には、「請求者(相続人)」とありますが、この個人情報を請求された本人はまだ存命なので、「推定相続人」はいても、本人が生きている以上「相続人」はおりませんから、虚偽記載となります。

 前回も申しましたが、「誰が」被相続人(死亡した人)なのか、「誰が」行政書士に依頼をしたのかは不明ですよね。

私も業務上、職務上請求書を使い、関係者の戸籍等を手配しますから、

行政が、他人の個人情報を請求した側を、これだけ手厚く保護してくれるのであれば、専門職としては有難いことです。

ところが、個人情報を盗られた本人の立場からすると、自分の戸籍等を誰が何の目的で請求したのかを確認するためには、(今回の場合では)その請求を代理したこの行政書士に問い合わせるしか方法はなくなります。

しかし、仮に問い合わせても守秘義務を理由に、その行政書士からは情報提供を拒まれることになるでしょうから、誰に何の目的で自分の戸籍を盗られたのか確認の仕様がなくなるわけです。

その状態を生じさせることは、行政にとっては、審査請求を誘発してしまうリスクとなるのではないでしょうか。

 

 行政が管理する個人情報って何でしょう。

あなたは、自分の個人情報を盗られたとしても、その取得した相手が誰なのか、何の目的で取得したのかを知ることができないことになりますが、そこに非常な違和感を感じませんか?

 皆様のご感想はいかがでしょうか。

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